業家は売上を上げ、利益を上げることがひとつの目標です。利益が出れば税金がかかります。今期A社の社長は久々に大幅増収増益を達成し、多額の納税をすることになりましたが、手元にお金がなかったので納税資金を6 ヶ月の返済条件で借りることにしました。ところが、返済が始まると資金繰りが急に苦しくなり、仕入れの支払にも苦労するようになってしまいました。これはどうしてでしょう?理由は税金の計算基準となる利益の計上時期と実際に税金を支払う時期の時間差によるものです。税金を払うのは儲かった期の翌期になります。前期に大きく利益が出ていても返済の行われる次の期の前半に利益が出ていなければ当然資金繰りは苦しくなります。もうかった次の期も同じように利益が出ていれば全く問題ないのですが、その逆の時は大変です。利益と納税の時間差の罠は以外に陥り易いのです。賞与資金にも同じことが言えますので気をつけるべきです。以前は納税準備預金口座というものがよく使われましたが、利益はコツコツ貯めておくのが一番安全なのかもしれません。