経営の達人
水曜日, 8月 31, 2005
金融機関とのスムーズな交渉術
不良債権処理、合併等によりメガバンクをはじめ、各銀行の財務状況も改善してきておりますが、これからが資金調達の正念場、銀行との交渉も再開しなくてはいけません。しかし、過去の貸し渋りで苦い経験をした経営者の方々の中には、金融機関との交渉は苦手という意見が多いのではないでしょうか?金融機関とスムーズに折衝するコツとして、誰をキー・パーソンとするかが大切です。金融機関と関わる際に、銀行の渉外担当者、融資担当者、融資担当役席、支店長などにお会いされる機会があると思いますが、どの方をキー・パーソンとされていますか?苦手意識のあまりに、足繁く通ってくれる渉外担当者とばかり話をしているとか、「上意下達」の即効性を好んで支店長とばかり話をしている方が意外と多いのではないでしょうか?
まず、渉外担当者は、預金・為替を預かる業務担当なので、顧客から受けた融資の打診は、取り次ぐだけの役割です。融資担当者は、融資担当顧客の資料を整理・分析し、稟議書の作成を主な業務とします。稟議書では、「第一次意見」を付与します。融資担当役席は、融資担当者の上げた稟議書を総合的に検討し、「第二次意見」を付与します。支店長は、「最終意見」を付与しますが、実際には「第二次意見」が一番の決め手となることが多いようです。支店長とばかり話をして上からの圧力をかけすぎると、現場担当者の反発を招き、次回の融資打診時の協力が得られない可能性があります。従って、窓口としては融資担当者を常とし、場合によっては融資担当役席にも十分に根回しするのがよいでしょう。銀行内のそれぞれの立場を理解した対応を心がけたいものです。
また、銀行内の内情をよく見極めて、交渉のタイミングにも気を遣うと、融資担当者との間でよい関係が築けるかもしれません。融資打診には日程的に余裕を持つこと、訪問日程も月末月初・連休明け・月曜日・五十日(ごとおび) を避けること、接待時での仕事の話題は避けることをモットーとしてみてください。以前は、お金を借りる側ということで弱い立場であった事業者ですが、結局のところ、ビジネスはお互いの信頼関係が重要です。良好な関係を築いていきましょう。(2005 年8 月号)
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